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ADMRコラム101 説明が弁解に聞こえてしまう人
ある大手企業のトップは、報道陣から業績について聞かれ「自社の業績が悪くなったのを、景気や市場動向のせいにするようでは経営者として失格」と言っていた。もう20年以上前のことだが、今でも時々思い出すほど、強い印象が残っている。自社の取り組みがどうだったかが経営者として最も大切であり、責任をもつべきことだ。それを、周囲の環境に責任を転嫁してしまうと、どう詳しく話したところで弁解にしか聞こえない、ということだろう。
経営者に比べれば背負う責任は軽いかもしれないが、マネージャークラスにも現場スタッフにも弁解ばかり目立つ人がいる。共通するのは「自分は悪くない」と言い張ることと、環境の変化を事細かく説明しようとすることである。実績が計画を大きく下回っている。つまり危機的状況だから、上司や幹部はどういった対策を考えているのかをまず知りたい。にもかかわらず、できなかった理由を延々と説明する。
「景気が冷え込んだ」「〇〇さんが急に辞めてしまって人手が足りなかった」―などである。敗因の分析が不要とは言わないが、まずやるべきはリカバリーであり、その説明が求められている。しかし具体的な対策が明確でなく悪化した理由ばかり話しているから、弁解に終始していると思われてしまう。さらに残念なことは、本人がそのことに気付いていない。
自社、自分の努力ではどうにもならないことは確かにある。災害や景気変動などがそうで、想定はできない。だからといって、それで会社の業績や個人の実績が悪くなっても良いということにはならない。どんな状況でも結果を求められ、できなければ評価を下げるだけである。置かれた状況を冷静に分析し、あの手この手で打開策を見つけていく。幹部や上司はそれを求めており、評価が分かれるポイントでもある。
新型車の売れ行きが良くない。整備士が少ないため入庫予約が入りにくく、お客様や営業部門の不満が募っている―。現場スタッフやマネージャーの責任とは言えないようなことであり、経営陣も十分理解している。だからこそ幹部は厳しい状況を乗り越えようとする「突破力」をマネージャーに期待し、上司は現場スタッフの「知恵と工夫」を必要としている。
ビジネスの世界ではお客様のニーズに応えることが基本であり、それは社内でも同じだ。会社や上司の求めていることに対応できる人が戦力として期待される。今、自分が何をすべきか、常に意識し、状況が悪くなった際の対策を考える。それができない人は周囲の環境を理由に「弁解」してしまう。本人は「説明」のつもりなのだろうが、“期待はずれ”の回答でしかない。最悪の事態が起きた場合にどう動いたらいいか、日頃からシミュレーションしておけば、少なくとも会議で「弁解ばかりしている」ということにはならないのではないか。
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