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ADMRコラム114 大切にしていることを探す
俳優が役作りのために体を鍛えたり、逆に太ったりするニュースを目にすることがある。よく考えてみれば不思議だ。なぜ演劇や映画などのためにそこまでするのか。鍛えるのはもちろん大変だが、狙って太るなんてさらに大変なことがわかる。
もちろん、そこまでしたことは話題になり、次の仕事にもつながるだろう。またより観客を感動させることができ、演劇や映画をヒットさせることができるかもしれない。そこで私が強く感じるのは、俳優自身がそうすることを望んでいるのでは?ということだ。
ある俳優は演じることが好きなのでこの道を選んだと言っていた。私には「演じることが好き」ということは理解できないが、好きなことと仕事がリンクする楽しさはわかる。俳優は演じることが楽しい。だから演じる上で必要な努力はできるということではないだろうか。つまり俳優の場合、体を絞ったりすることは負担だが、返ってくるものが人生の何よりも大きいということがわかっているので、喜んで体型を変えることができる、ということだ。
私は新入社員との面談の際、その人がどんなことを大切にしているのかを聴き取るようにしている。ある社員は家族や地元が大事だと言っていた。また他の社員は負けず嫌いで誰よりも成長したいと話していた。
好きなことにはお金を惜しまないように、大切にしていることと関わる仕事であればなおさら、一生懸命取り組める。ただ難しいのは大切にしていることと、いまの仕事の関連性を簡単には見出せないということだ。
だからその大切にしていることを聞き出したあとに、いまの仕事との関連性を必ず一緒に探すようにしている。友人関係を大事にしている人であれば、その価値観を認めた上で、仕事の中でお客様との気の置けない関係性を作ることを目指すように伝える。そうすると毎日の義務のような作業も返ってくるもののためと考えを改めることができる。これは燃え尽き症候群や離職防止にもつながるのではないだろうか。
一方、話を聴いていると、小さい頃から何でもできたのだが、続けることができなかったという人もいた。自分でも飽きっぽいと話していたが、言い換えれば自分が大切にしていることが何かがわかっていないのだ。こういう人は器用にそつなくこなすが、意外と仕事を辞めてしまう可能性がある。逆に離職に気をつけるべき社員になるのだ。
人生で大切にしていることは往々にして、仕事をする上で船の錨のような役割を果たすことがある。それはどんなに波打っても船体が流されないよう役割を果たしている。同様に個人的に大切にしていることは、様々な困難があっても流されることなく、仕事を続けるための基礎になる可能性があるのだ。
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