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ADMRコラム112 「居場所」をつくる
先日は敬老の日だった。総務省によると、直近の推計で65歳以上の人口が3,624万人となり、総人口に占める比率が過去最高の29.6%に達した。人口4,000万人以上の国で見ると1位だという。この年代で働いている人は2025年で943万人おり、労働人口の4人に1人が”現役”ということになる。また労働人口に占める比率も13.8%で過去最高だった。
高齢者にとっては「年金が少ないのをカバーする」「健康維持」「社会との関わりを持ち続けたい」などの理由と考えられる。一方、採用する側としては若手や中堅層を手厚くしたいが、労働力不足を補うために高齢者に頼らざるを得ない側面もあると見られる。
実際に外食産業などで、年配のスタッフを見かける機会が増えた。若い人のように”きびきび”と動くことは少ないが、社会人経験が豊富なこともあり、忙しい状況や手間のかかりそうなお客様に対して、常に落ち着いて対応している。そういうシーンを何度か見てきたが、年配の人ならではの「安心感」は魅力の一つだろう。
ただ、自動車販売や整備業界をはじめ65歳以上の「働き方」について明確な方針を打ち出しているところは少ない。65歳までは雇用義務があり定年延長や再雇用の制度を整えているが、65歳以上の雇用については国が努力義務にとどめていることもあり具体化しているケースは少ないようだ。
年齢とともに体力はもちろん、新しいことを吸収しようとする意欲も低下する。しかし、個人差があり一律に「高齢だからこの業務は難しい」ということではないはずだ。80歳を過ぎても最新の整備機器に関心を示し、進化する技術に積極的に向き合っている整備工場の経営者を知っている。同年代で、小さな自動車販売店で営業の第一線に立っている人もいる。「長いお付き合いのお客様から、安心できる存在」と評価されていると、その販売店の社長は言っていた。
年齢とともに衰えることはあるだろうが、培ったスキルを磨き上げる努力をしていけばカバーできるものも多いはずだ。一方で会社側も人によって週に2日など柔軟に働ける環境づくりが必要になってくる。高齢者も会社もそうして「居場所」をつくっていけば活躍できる余地は大きい。現役世代からは人手不足で「仕事が忙しすぎる」という声をよく聞く。そのサポートは経験豊富な高齢者こそ向いているのではないか。
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