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ADMRコラム⑭ 「もう受注は増やしたくない」の真意

「営業をやればやるほど、自分で自分の首を絞めているような気がするのですが」―部下がつぶやいたとき、一瞬言葉に詰まった。「そう言わずに頑張ってよ」と言ってはみたものの、部下の置かれている状況を見ると、そう簡単にすませていいものか考えてしまった。   その部下は仕事熱心で、新規の受注を次々と決めてくる。営業活動は楽しいと本人も言う。ただ、それに付帯する業務の負担が大きい。受注に対応して社内の事務処理はもちろん、関連する部署に仕事の割り振りや調整を行う。その作業が大変なのだ。 だから営業を頑張れば頑張るほど関連する業務に忙殺されて、自分のキャパシティーをオーバーしかねない状況になる。部下のつぶやきも、仕事の負荷がかかりすぎているという危険な状況を反映したものだ。   付帯する業務を社内で分担してカバーするか、時には外注してでも本人の負担を軽減しなければいけないのは分かっている。しかし、人も予算も限られている中で実現するのは容易ではない。「頑張って」という精神論はいつまでも続かない。 本人の気力、体力が限界に近付いている。周囲を見渡せば、営業成績がそこそこの人は付帯業務も大きな負担にならず、無理なく仕事をしている。冷静に考えると、無理して営業をしない方がいいのではないか。付帯業務で神経をすり減らし体力を消耗することもないし、一定の営業成績さえ保っていれば会社は何も言わない。部下が本気でそう考えたら、チームの営業成績は確実に落ちる。上司としては、部下のやる気が少しでも続いてくれることを祈るしかないが、根本的な問題は解決していない。   自動車販売の営業の現場でも、似たような状況はたくさんあるのではないか。前回のコラムでも指摘したように、本業とも言える商談や顧客対応以外の作業負担が大きくなっている。受注が増えるほど忙しくなるのはわかっている。評価はしてもらえるとはいえ、それだけでモチベーションは続かない。 「もう無理して受注は取らない」と考える営業スタッフが多くなっているとすれば、会社の損失は大きい。業務分担の見直しが焦眉の急だ。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします