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ADMRコラム85 忙しい時こそやるべき
学生時代、居酒屋でアルバイトをしていた。ホールでの接客と皿洗いをしていたが、忙しい時は調理も行い焼き鳥を焼いたりした。焼き加減さえ間違えなければ、経験がなくても最低限の品質は確保できるし板前の負担を減らせるというのが理由だった。
満席で50人ほどのお店で、通常は多くても7、8割の入りだった。店長、板前とアルバイト2人の計4人のスタッフがおり、ある程度慣れればパニックになることもなく、鼻歌を歌いながら焼き鳥を焼くくらいの余裕があった。しかし、たまに満席になると大変で、まさにてんてこ舞いの状態になった。
次々と注文が入るが、板前は一人。料理を待たせるので苦情を聞かなければいけない。食べ終わったら片付けを早くしないと、次の注文をしてくれない人もいるから、各テープルの状況も常にチェックしておくことも大切だ。そうこうしているうちに下げたお皿が洗い場にあふれるから急いで皿洗いして、その合間に焼き鳥を焼く。
こちらは必死になってやっているが、それでもお客様から苦情を言われることがあった。立て込んでいるから、すべてに時間がかかるのはやむを得ない。お客様もそれはわかっている。ただ、忙しいことを理由に対応がぞんざいになると不快に思う。怒っている人は謝れば納得してもらえることが多いが「不機嫌そうに黙っているお客様は分かりにくいし、二度と来てくれない可能性が高い」と、店長が言っていた。
「自分は何度も催促してるいのに料理が来ないのに、となりの人には早く出ている」「注文しようと店員に声をかけたのに、返事だけして放ったらかし」―料理によって早い、遅いはやむを得ないし、あちこちから声がかかるのでつい忘れてしまうこともある。そもそも、たまにしかない満席を前提にしたスタッフ数ではない。多少、お客様にしわ寄せがいってもやむを得ないこともある。つまり、いくらでも”弁解”できるのだが、それは店側の論理であってお客様には通じないことが多い。
だからこそ「忙しいときこそお客様の様子をよく観察してほしい」と店長は言っていた。不満そうな表情のお客様には率先して声をかけ、状況を手短でもいいから説明する。お客様のことを無視してないし、忙しい中でも気にかけていることを示す。そのためには「料理を運ぶのが少し遅れたり、洗い物がたまってもいい」とも。
自動車販売や整備の現場は繁忙期の真っただ中にいる。目先の仕事をこなすだけで手一杯の人も多いだろう。作業効率を上げるのが悪いとは言わないが、居酒屋の店長が言っていたように、ともすればお客様の様子をしっかり観察することがおろそかになる。その結果、最も大切な「お客様の信頼」を失いかねない。多忙だからこそ、優先すべきことを強く意識したい。
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