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ADMRコラム82 「まだ」と「もう」の違い

 「見切り千両」という言葉は、株取引の世界でよく使われる。損を出したときに「まだ何とかなるかもしれない」と、ずるずる持ち続けてしまうと被害が大きくなりがちで、早めに手じまいした方が結果的にメリットは大きいという意味だ。経験を積んだ人はその意味をよく分かっているが”素人”ほど「もう少し我慢すれば」と売り時を失い損失を広げてしまうことが多いという。


 詳しい人と、そうでない人で理解度が違うということだろう。自動車販売や整備の現場でも似たようなシーンはしばしば見られるが、こちらは一歩間違うとお客様の信頼を損ないかねないからやっかいだ。


 新車から10年以上乗り続けているお客様が車検を迎える。走行距離が長く、使い方も荒いため、交換すべき部品が多く費用がかさむ。さらに車検後も修理や交換が必要になりそうな箇所もいくつかある。お客様の負担を考え担当の営業もメカニックも「もう、買い換えたらいかがですか」と奨める。


 クルマの”プロ”として、お客様のことを思って合理的な提案をしたと言えるが、お客様がその通りに受け取ってくれるかどうか。愛着があり「まだ乗れるのに、新車を売りたいから、買い換えを提案してくるのではないか」と思うかもしれない。


 点検に来たお客様のクルマはブレーキパッドが減っていた。「もう、6カ月くらいしかもたないので、交換しましょう」。点検時に交換すればお客様の手間がかからないし、なにより安全性を重視すれば多少早くても提案した方がいいと考えた。しかしクルマに詳しくないお客様は「まだ、半年も大丈夫なのに何で交換するのか」と思う人もいる。


 販売店や整備工場のスタッフは、知識があるだけに簡単に「もう」と言ってしまう。しかし「まだ」と判断しているお客様が少なからずいるのは事実だ。そこを理解したうえで、どう納得してもらえるかを工夫するのもまたプロの役割ではないだろうか。


 店長や工場長といった管理職も同じかもしれない。何度言っても同じようなミスをする。業務に必要な知識を覚えようとする意欲が見られない。やる気があるのかないのか分からない―部下を指導・育成する責任はあるが「もう、諦めようか」とつい思いがちになる。


 そこで「まだ、何とかなるかもしれない」と、良いところを見つけて伸ばすように努力する。根気のいることだが、それを続けている人と、早々に匙を投げてしまう人では部下の成長に差が出てくるはずだ。こちらは「もう」よりも「まだ」を重視する人がマネジメントの”プロ”ということになる。


※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。

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