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ADMRコラム78 もし30代の社員ばかりの会社だったら

 不動産会社に勤める30代半ばの知人が転職した。同業で、分譲住宅用の土地を仕入れる仕事の内容も同じだという。本社で二週間程度の研修後、すぐに営業所に配属される。社会人としてのキャリアを積み、なおかつ会社の求める専門的な業務の経験もあるから、まさに「即戦力」である。


 自動車整備士も10年程度のキャリアがあれば、メーカーや車種ごとに整備するうえでの違いはあるだろうが、短期間で対応でるはずだ。そもそも国家資格を持ち基礎ができている。お客様への対応や社会人としてのマナーはもちろん、整備工場の職場環境も経験を積んである程度理解している。転職するならば採用したいという会社はたくさんあることは間違いない。


 現実的ではないが、もし会社が30代の社員だけだったらと想定してみる。経営者(ここは年齢は無関係)の立場からするとメリットが多い。採用は社会人経験のある中途採用ということになり、基礎研修の必要がない。他社の”色”がついているという声もあるが、ゼロから教える必要がないので手間がかからない。同業からの転職ならば、すぐに戦力になる。10年前後の経験があり、仕事に「脂がのる」世代でまさに働き盛りである。それでいて40代、50代ほど給与は高くない。つまり社員としてコストバフォーマンが抜群に高い世代ということになる。


 一部の人はマネジメントを担当するにしても、原則として40歳を過ぎたら会社を去るということになれば人件費の上昇も抑えられる。法的にもそんなことはできなし、そもそも、そんな会社に入る人はいないだろうが、30代だけでほぼ会社を運営できれば収益力が高くなることは間違いない。


 あり得ない話ではあるが、30代を多く抱えている会社が”強い”ことは事実だろう。しかし実際には30代の社員が他の年代に比べ少ないところが多い。日経ビシネスの調査では7割程度の企業に30代社員の不足感があるという。もともと少子化で絶対数が少ないうえ、リーマンショック(2008年)などで企業が採用を控えた。さらに転職率が高いことなどが理由とされる。


 30代が担う役割は多い。第一線で活躍することだけでなく、Z世代の若者の指導役はもちろん、バブル世代の幹部と若手のつなぎ役も求められる。一方で結婚や育児など生活面での変化が大きい世代でもある。


 分かりやすく言えば「忙しい世代」か。にもかかわらず、採用できなくなる恐怖からか、若手の賃上げや待遇改善には熱心だが、30代は恩恵が少ない。上の世代を見れば、昇進・昇格のラインからはずれた人が暇そうにしている。しかも給料はそこそこ高い。自分たちの10年後、20年後を想像すると、このまま会社にいていいのか考えてしまう。


 御社の30代の社員が、もしそう思っているならば対策を急いだ方がいいだろう。評価や給与制度の見直し、有給が取りやすい環境整備、そして何より将来に希望が持てるライフプランの明示―言うのは簡単だが実現するのは容易ではない。しかし、会社が逡巡している間にも一人また一人と転職活動をしているかもしれない。もちろん中途採用しようとしても、離職率の高い会社に入ろうとする人は少ない。そうして30代の少ない会社は活気が薄れていくことになる。


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