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ADMRコラム77 忙しい時の断り方
どこもかしこも「予約」の時代である。年末の居酒屋。とくに週末は直前になって予約しようにも「もう予約で一杯です」と断られるのが当り前になった。1カ月以上前から連絡しておかないと席の確保は容易ではないというのが実感だ。携帯ショップは、ちょっと操作がわからず聞きたいことがあってもネット予約が必要で、場合によっては相談料金を取られることもある。
人手不足のうえ残業をさせにくいから、お客様をプラスアルファで受け入れる余力がない。スタッフも忙しいせいか、電話で「来週の予約を」と聞いた瞬間に「無理です」と素っ気なく言う人がいる。やむを得ないと思わないではないが、その言い方ひとつで「二度と行かない」と思うのは筆者だけではないだろう。中には申し訳なさそうに謝りながら「満席で申し訳ありません」と、姿が見えなくても頭を下げている様子が想像できるような受け答えしてくれるケースもある。そうなると「次は早めに予約して行こう」という気になる。
サービスの現場はこれから1年間で最も忙しい時期を迎える。車検が1カ月前倒しで可能になったとはいえ、工場に余力はそうできないだろう。車検は早期予約が定着すれば大きな混乱はなくなるかもしれない。それでもぎりぎりで入庫するお客様はいるだろうし、お客様のクルマに急な故障が起きることもある。その時、どう対応するか。
ある整備工場は3カ所の工場をもつ。繁忙期の後は工場に少し余裕ができる。当然、業績も下がるのだが、工場によって”下げ幅”に差が出る。現場のメカニックの技量を平均値で見れば大きく変わらない。繁忙期はどの工場も忙しく、時には仕事を断るほどで収益もあがる。しかし一つの工場だけは、閑散期になると入庫が大きく減ってしまう。
考えられる理由として、忙しい時の「断り方」に問題があるのではないか。繁忙期はフロントも現場も殺気立っており、初めての取引や少額の仕事ばかり発注してくるお客様に「二度と頼みたくない」と思わせるような対応をしている可能性がある。「今、忙しいから無理です」「予約はしばらく一杯で難しいです」説明しているつもりでも、客からすれば「けんもほろろ」である。具体的にいつ頃なら予約が可能なのかも教えてくれない。
トラブルの状況を聞いて「応急処置であれば〇〇日の〇〇時ならば可能です」と対応するのが難しいなら、せめて「1カ月後の〇〇日なら予約できます」と、先のスケジュールでも具体的に示す。つまり、まず「断る」のではなくお客様が「選択」できる余地をできるだけ提示する。それも無理なら申し訳ない気持ちをきちんと伝える。忙しいときにそれができればお客様は離れないのではないだろうか。
予約が当り前の携帯ショップに飛び込みで来店する人は一定数いるという。その際に「短時間でもいいから、とにかく話を聞く」だけでも次の来店につながり、「時間とスタッフをやりくりして何とか商談時間をつくる」ことができれば受注につながる可能性が高いそうだ。サービスの現場も同じはずだ。
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