News
新着情報
ADMRコラム76 「一点豪華主義」という選択
社会人になってしばらく経ったとき「靴だけは良いものを買いなさい」と言われたことがある。人に会ったときに目につきやすいので、汚れていたり、くたびれていたりすると印象が悪くなる。高い靴を買えば手入れもするから、お金をかけた方がいいということだった。管理職になったときは腕時計。ワイシャツやスーツで隠れがちだが、意外と目線がいく。「年齢相応の価値のあるものにしないと、ちぐはぐで信用にも影響することがある」とアドバイスされた。
当然かけられるお金が限られているのだが「一点豪華主義でいい」という。服装で目立つアイテムだけお金を集中投下する。スーツやワイシャツがそれほど高級でなくても靴と時計が良ければ、きちんとした印象になるそうだ。確かに、仕事で会った企業の幹部がカジュアルな時計をしていて「この人はどういう感覚をしているのだろう」と思ったことがある。一方で若い人が高級ブランドのものを身に着けていると、どこかちぐはぐな印象を受ける。一点豪華主義も方向性を間違えると”逆効果”ということだろう。
自動車販売店の店長や工場長はもちろん、現場で働く人の悩みの一つに会社や上司からの要望が多すぎるというのがある。改善点はたくさんあり、強化しなければならないことも少なくない。それは十分に分かっているのだが、やるべきことが多すぎて対応に困ってしまうという人が多いのではないか。あれもこれもと欲張っても、実力もマンパワーも足りなければ何一つ実現しないということになりかねない。うまくいっていない時こそ、取り組み課題を絞って一点豪華主義でいくのもいい。
例えばCS向上。調査は項目が細かく分けられ数値化されている。すべてを底上げするのが難しければ、一つに絞ってみる。「他のことはいいから、お客様への挨拶だけは他の店やライバル会社に負けないようにしっかりやろう」と指示を出す。または自分で決める。ポイントが絞られているから集中できる。そこで経験を積んで実績があがると、他の改善点をどうしたらいいか、道筋が見えてくることもある。
もちろんリスクは当然ある。「他のことはどうなっているのか」と叱責されるかもしれない。ポイントの絞り方に部下が納得していないのか、動きが悪いということもあり得る。一点豪華主義で成果があがらなければ、それこそ評価は最悪なものになりかねない。そういう意味では、言われた通りにあれもこれもと総花的に取り組んだ方がリスクは少ないとの見方もできる。しかし、成果を求めるならば「取捨選択」が必要な時もある。一点豪華主義の方が、結果的に会社や部署に貢献できると決断したら、実行あるのみだ。
※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。
※ADMRではこのほか、オンラインサロンへの参加をはじめコラムや動画の限定配信、経営相談などの特典を用意したADMR会員を募集しています。詳しくはこちらをクリック