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ADMRコラム66 責任とは覚悟だ

 教員をしていたときに、ふざけて遊んでいた生徒を捕まえて指導しようとしたことがある。話をきこうとすると、「〇〇くんや××さんもやっていたよ」と言われた。言外に「だから私は悪くない」という気持ちがあるのだろう。ただ、他の人が責められるような行動をしていたとしても、自分の行動が責められないわけではない。私はこの生徒を淡々と指導した。


 責任についてもう一つ考えさせられたことがある。震災が起きた町で「トリアージ」をした医師のニュースを以前観たときだ。「トリアージ」とは、災害などで死傷者が多いときに、医師が患者の重傷度によって選別をし、治療の優先順位をつけることだ。効率的に、より多くの人を助けるためには必要な措置なのだが、それをする医師には非常に重い責任がのしかかる。なぜなら重傷だからといってすぐに助けるとは限らず、むしろ「あきらめて」治療をしない患者が出てくる。限られたスタッフ、時間の中で一人でも多くの人を助けるために辛い「選択」をしなければならない。それに不満を持つ家族もいるだろう。こうしたプレッシャーが医師にのしかかってくる。


 数多くの人を助けるのなら、少数が犠牲になるのは仕方がないと、いざ現場に立って考えることができるのだろうか。果たして自分ひとりの判断でよいのだろうか、また終わってからも、これでよかったのだろうかと、一生をかけて悩むことになるだろう。ただ、万が一同じように判断しなければならない状況になったとき、自分だったらそこから逃げないようにしたいと思う。


 責任とは自らの行動に覚悟を持つことだと思う。行動で招いたことを引き受けることだと思う。私たちは自由に行動することができる。だからこそ一生懸命考えて、一つひとつの行動に自信と覚悟をもつことが大事なのだ。


 仕事をするうえで、責任を負わなければいけない場面は必ず出てくる。例えば、ちょっとした連絡ミスでお客様を怒らせてしまう。あるいは新たなプロジェクトを任されたが、行動の選択によっては、思うような成果があげられない、というようなこともあるかもしれない。


 もちろん情報がたくさんある中では判断に迷うこともあるだろうが、一度決めたのならそこから逃げずに自信と覚悟をもって自分を表現するべきだ。余計なものまで背負いすぎる必要はない。そのうえで誠実に責任を全うする。少なくとも「Aさんが○○だったから」「Bさんが××してくれなかったから」と責任から逃げるようなことはしないようにしたい。


※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。

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