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ADMRコラム61 いまどきの新入社員

 仕事柄、新入社員と話をすることが多いのだが、現代の若者の特徴について思ったことがあったので、書き留めておきたい。最近の若者は「上手に判断できない」ということだ。


 「判断ができない」と言っても、これには二つのパターンがある。一つは「困った新入社員」パターン。自分の判断に「根拠のない」自信を持っている社員だ。若者なので、社会人としての経験が足りないにも関わらず、自分の少ない人生経験をもとにして行動するので失敗しがちだ。当然、職場は大混乱してしまう。典型的な「困った社員」だ。


 しかし、こちらはむしろ良い方だと、私は思う。なぜなら曲がりなりにも自分で判断をしているからだ。もちろん職場を混乱させるし、それこそ「若者のくせに!」と感じる人も多いのかもしれない。ただ考えてほしい。職場の全員がかつて若者だった。当然失敗も多くしたはずだ。若者の経験が少ないのは万国共通だ。勇気をもって判断したことをほめたたえ、間違っていれば正していこう。これをきっかけによりよい行動をしてくれるかもしれない。


 では悪いパターンは何か。それは、そもそも「判断したことがない」新入社員だ。私は、こういう社員が一番厄介だと思う。なぜなら、前述の「困った新入社員」よりも「いい子」に見えるからだ。


 「判断したことがない」社員は、自ら判断しないのだから勝手に動くことはない。言われたことを素直にこなす。もちろん新入社員はこれまで学校で叱られたことはない。おそらくそれを見て、現場のマネージャーたちは「今年はできる社員で良かった」と、はじめは思うだろう。余計なことをしないからだ。しかし悲しいのは、学校と違って職場というのは自分の判断が求められる場所だということだ。


 新入社員も叱られないように、すべての判断を上司に求めてくる。マネージャーも忙しいので、判断しきれない。そのため、そういう社員は「何もしない」。いわゆる「指示待ち」だ。そして最も厄介だと思うのは、責任感も薄いということだ。先輩が忙しくて困っていても何もしない。仕事、自分でやりたいわけではないから、少し嫌なことがあればやめてしまう。自由と責任はセットだとはよく言うが、逆に言えば自由を放り出してでも責任を取りたくないのだ。


 こういう社員には、「素直」だと感動する前に、あえて責任を負わすべきなのだと思う。多くのマネージャーは嫌がると思うが、新入社員に自由にやらせてみればよいと思う。大事なのは失敗しても叱らないことだ。責任を負うことを恐がるのは叱られるのが嫌だからだ。


 単純には比べられないが、野生動物は一人前になった我が子を放置していることが多い。その経験がこと人間には足りていないのかもしれない。


※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。

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