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ADMRコラム55「悪い報告」をどう生かすか

 部下から電話があったとき「良い話と悪い話があるのですが、どちらからにしますか」と言われたことがある。「悪い話に決まっているだろう」と答えたのは、内容によってはすぐに動かなければいけないこともあるからだ。良い話は聞いて嬉しいが、部下を褒める以外にすぐに対応しなければならないことはない。


 経営幹部はもちろん管理職もできるならば「悪い報告」は聞きたくない。「売上、利益が増えました」「新規の顧客を開拓しました」「新しく入った〇〇さんがよく頑張っています」―こんな話ばかりだったら問題ないが、企業活動にはうまくいかないこともしばしば起きる。幹部や管理職は聞きたくない報告にどう向き合うか、それが組織を強くもするし弱くもする。


 誰でも失敗やマイナス点は話したくない。ただ、当人だけで解決できないことが多く、対応が早いほど”傷”は浅く済む。例えば、担当者が顧客とトラブルになったとする。ちょっとした連絡の行き違いや言葉遣いでお客様を怒らせてしまうことがある。相手の言い分に無理があることもあるが、こちらの対応に問題があった場合は上司を含め組織で迅速にカバーする。時には上司も同行しまず謝罪する。トラブルを収めるだけでなく、そこで改めるべき課題を洗い出して部署内で共有する。それが全体のレベルアップにつながる。筆者もトラブルになった顧客と何度も話し合いを重ね、防止策を講じるだけでなく顧客との関係がより強固になった経験がある。


 悪いパターンでいうと、担当者が一人でトラブルを抱え込んで、なんとか自分で解決しようとする。経験も知識も足りないからうまくいかないことが多く、かえってお客様との関係をこじらせてしまう。最悪の例では、うまく対処できずそのまま放置してお客様が二度と来なくなる、最終的に会社の評価が下がるだけでなく、組織として対応力を向上させるチャンスを逃したことになる。


 だからこそ、悪い話ほど早めの報連相が大切になる。多くの人はそれが分かっているはずだが、実行できていないケースも少なくない。「迷惑をかけたくない」という意識もあるだろうし、部署内に「トラブルは自分で解決する」という雰囲気があるかもしれない。そして人材育成どころか、人が辞めていく。かつて「そんな話は聞きたくない」と言い放った上司もいたが、相談する気にもなれず、これは論外。日頃の部下とのコミュニケーション、部署内の会議の進め方が一方通行になっていないか。「危険信号」を早めに察知するには、話しやすい雰囲気や仕組みづくりが欠かせない。


 ちなみに部下が話しやすい上司とは「すきを見せる(あえてそうするということ)」。そして「成功体験より失敗談」をあえて話すようにすることだそうだ。


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