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ADMRコラム53成功した人の共通点
自動車販売店や整備工場は、昭和40年代の高度経済成長と自動車の急速な普及で大きな成功をおさめた会社が多い。当時、起業し今なお経営の第一線にいる人も少なくない。取材や仕事を通じて会う機会が多かったが、経歴やビジネス領域も異なるのに不思議なくらい同じような空気感や雰囲気がある。結果として成功したのだから能力はもちろん運もあるのは間違いないが、それ以上に仕事に向き合う姿勢が印象に残った。
「日曜日の夕方になるとわくわくしてくる」と言ったのは大型車を中心とする整備工場の経営者。金融機関の担当者としてその会社に関わっていたところ、見込まれて経営陣に加わった。低迷していた業績を財務面から見直したうえ、自身の人脈も駆使して新規の顧客を開拓した。週末、休みになると会社のことをあれこれ考える。平日は日常業務で時間に追われ、会社のことを改めて見つめなおす時間がない。だから休日になると会社の課題や取り組むべきことを短期、中期、長期に分けて整理する。その中から、これはと思ったものを月曜に社内で展開する。良いアイデアややるべきことがまとまると、休みが終わるのが待ち遠しくなるそうだ。日曜日の夜になると、翌日からの仕事を考えて気分が落ち込む「サザエさん症候群」とはまったく逆のポジティブ思考と言える。
80代の整備関連企業の経営者は、半世紀に及ぶ会社経営で成功の秘訣を「365日仕事のことを考えること」と語った。新たなビジネスチャンスはないか、効率化や改善のアイデアはないか、といったことを「いつも考える」。それが習慣になると、少しでもヒントを見つけようと”視野”も広くなるという。発想を広げていかないと新しいアイデアは出てきにくい。狭い範囲でいくら悩んでも堂々巡りになるだけだということを経験から学んだ。
もう一人、半世紀以上、経営の第一線にいるベテラン経営者は言う。難しく考える必要はない。「人がやりたがらないことやる。これに尽きる」―。きつい作業でやり手が少ない仕事ほど「確実なニーズがあり、利益率も高い。さらにはお客様にも感謝される」。そいう仕事を選んで特化していけばノウハウも蓄積できて競争力が高まり、経営は安定する。「人手が足りないとか、作業が面倒とか、できない理由ばかり考えていたら前に進まない」。どうやって対応していくか、そこを考えるのが経営者だという。
どの話も誰でもできそうで、実は難しい。越えられそうで越えられない壁のようなものと言ってもいい。その壁の存在を知って、越えようと努力する。その繰り返しが、ここで記した成功した経営者に一歩でも近づくことになるのではないか。
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