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ADMRコラム㊼ 休みかお金か
30歳になる姪が転職した。学生時代から希望し、国家資格を生かして医療関係の仕事に就いていたのだが、新たな職場は不動産関係の事務職。これまでのキャリアは生かされず「もったいない」と周囲の誰もが思っており、本人に聞いてみると「福利厚生面の差が大きかった」と言う。
前職では時に土日の出勤があり、少ない人数で仕事を回しているから有給も取りにくかった。いずれ子どもができるかもしれないから育児休暇やその後の時短勤務も重要で、前の職場は名目だけは整っていたが、実際はみんなやり繰りに苦労していたという。そこを重視して転職先を探し、納得できるレベルだったので転職を決めた。
給料は少し上がった程度。前職は初任給こそ平均的だったが昇給は毎年、わずか。そこも不満だったようだが、それよりも「休みをはじめ福利厚生が大切」なのだそうだ。バブル期の直前に社会人となり、休日の出勤もサービス残業もさほど抵抗なく受け入れていた世代からすると「言っていることは理解できるが納得はできない」というのが本音だ。同年代の友人にこの話をしたところ「仕事で成果をあげること、評価されて昇格すること、それによって給料が上がることが最優先だった」と筆者と同じ思いを口にしていた。
プライベートより仕事が優先という雰囲気が社内だけでなく世の中にあったと思う。それがバブル崩壊後の「失われた30年」の間にすっかり様変わりした。その話を姪にすると「だってゆとり世代だから」―。
「仕事はそこそこ。給料は多いにこしたことはないが生活できればいい。それより定時で帰り、週末もしっかり休んでプライベートの生活を充実させたい」。ゆとり世代に加え、その思いがより強そうなZ世代も社会に出る時代となった。空前の人手不足なのに給料を上げるだけでは人が集まらず、残業は多くはさせられない。休日は増やし、有給もしっかり消化させなければいけない。筆者の世代からすると、とりあえず給料が上がればと思うが、それでは人が採れない時代となっている。
さらにハラスメント対応など、コンプライアンス面での対応を間違えば会社が大きな痛手を被りかねない。4、5年経ってようやく一人前の仕事ができるようになったと喜んでいたら、さっさと転職してしまう。採用やコンプライアンスを担当する人事や総務の担当者は気苦労が絶えないのではないか。経営側も危機感は強くなっているはずだが、世代的なこともあり筆者と同じような感覚の人がまだ少なくないような印象を受ける。納得できなくても時代に合わせるしかないことは理解しているとは思うのだが…。
☆ADMR主宰セミナー「自動車販売3.0」6月19日開催。詳細はこちらから 公開セミナー詳細 ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。 またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。
前職では時に土日の出勤があり、少ない人数で仕事を回しているから有給も取りにくかった。いずれ子どもができるかもしれないから育児休暇やその後の時短勤務も重要で、前の職場は名目だけは整っていたが、実際はみんなやり繰りに苦労していたという。そこを重視して転職先を探し、納得できるレベルだったので転職を決めた。
給料は少し上がった程度。前職は初任給こそ平均的だったが昇給は毎年、わずか。そこも不満だったようだが、それよりも「休みをはじめ福利厚生が大切」なのだそうだ。バブル期の直前に社会人となり、休日の出勤もサービス残業もさほど抵抗なく受け入れていた世代からすると「言っていることは理解できるが納得はできない」というのが本音だ。同年代の友人にこの話をしたところ「仕事で成果をあげること、評価されて昇格すること、それによって給料が上がることが最優先だった」と筆者と同じ思いを口にしていた。
プライベートより仕事が優先という雰囲気が社内だけでなく世の中にあったと思う。それがバブル崩壊後の「失われた30年」の間にすっかり様変わりした。その話を姪にすると「だってゆとり世代だから」―。
「仕事はそこそこ。給料は多いにこしたことはないが生活できればいい。それより定時で帰り、週末もしっかり休んでプライベートの生活を充実させたい」。ゆとり世代に加え、その思いがより強そうなZ世代も社会に出る時代となった。空前の人手不足なのに給料を上げるだけでは人が集まらず、残業は多くはさせられない。休日は増やし、有給もしっかり消化させなければいけない。筆者の世代からすると、とりあえず給料が上がればと思うが、それでは人が採れない時代となっている。
さらにハラスメント対応など、コンプライアンス面での対応を間違えば会社が大きな痛手を被りかねない。4、5年経ってようやく一人前の仕事ができるようになったと喜んでいたら、さっさと転職してしまう。採用やコンプライアンスを担当する人事や総務の担当者は気苦労が絶えないのではないか。経営側も危機感は強くなっているはずだが、世代的なこともあり筆者と同じような感覚の人がまだ少なくないような印象を受ける。納得できなくても時代に合わせるしかないことは理解しているとは思うのだが…。
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