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ADMRコラム㊱ 求人ラプソディー

先日、駅で知人と待ち合わせをしていて、駅前のロータリーに入ってくるバスを思わず二度見してしまった。バスの行き先を示す表示(方向幕という)のところが「バス運転士募集」となっていた。通常は「○○駅」か「回送」とあるところに求人の案内で、よく見ると車体横にある経路案内も募集案内が大きな文字で記されていた。 別の日、近所の大手スーパーに行ったときのこと。店内放送といえばタイムセールやその日の特売の案内か、混んでいるレジにスタッフが応援に行くように指示する内容が多い。ところが、そのスーパーでは「私たちは一緒に働いてくれる仲間を募集しています。ぜひご応募ください」と、求人案内を繰り返し流していた。 お店のメニュー看板より大きい求人の張り紙をしている飲食店は珍しくなくなった。本来、アピールや告知したいことは別にあるはずなのに、求人が最優先される。人手不足で業務に支障が出かねない状況に、多くの会社や商店がパニックになりかかっているのかもしれない。   知り合いの整備工場は整備士が20人以上いる大手だが、「このままいくと10年後には半数以下、20年後にはほぼゼロになる」と言う。40代、50代のベテランばかりで、若手がほとんど採れないからだ。営業スタッフも募集しているが、こちらも苦戦している。ようやく50代の経験者を確保できたものの「面接したらすぐに内定を出して囲い込まないと他社に行かれてしまう」ほどの奪い合いだそうだ。   「労務倒産」という言葉が他人事でなくなりつつある企業は多い。人材が確保できなければ事業を継続できなくなる可能性が高まるのだから、採用活動に文字通り会社の将来がかかっていることになる。だからこそ、あの手この手で採用活動に知恵を絞る。 企業としては当たり前のことだが、「すでに採用した社員」はどうなっているのかと、ふと疑問に思う。初任給の上昇はベースアップのそれを大きく上回っている。新入社員に一から仕事を教えている先輩の給料が新入社員と変わらない。中高年は中途退社が少ないから、給与体系の見直しの恩典が少ないといった話をよく聞くようになった。   すべての年代、役職の人が満足するような賃金体系は、一部の大手企業を除けば企業体力を考えてもほぼ不可能かもしれない。ただ、新人にばかり目を向けていると”かつての新人たち”がどう思うか。社員が定着してくれなければ、せっかくの努力が徒労に終わりかねない―。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRコラムではYou Tubeで動画配信を行っています。 ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。 https://youtube.com/channel/UCqHCBS6u1aYsH4qSjM3MItA?si=zSaDUnfCg8GqMDDA