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ADMRコラム㉛ 管理職の「選択と集中」
野球をしたことがある人ならば誰もが夢見る選手像がある。投手ならば160km以上のスピードボールで三振の山を築く。野手ならばホームランを量産し、なおかつ打率も高い。ついでに言うと守備が上手で盗塁もたくさんできる。大谷翔平はまさにその通りの選手であるが、マルチな活躍はあまりに現実離れしていて、スーパースターの中でも「とくに選ばれた人」と言ってもいい。
ではその他の選手はどうかというと、さすがにプロの世界で生き残っているだけあって一芸に秀でている人が多い。ストレートは速くないが、ナックルやカーブなど独特の変化球で打者のタイミングをずらす。確実性はないが、長打力があり起死回生のホームランが期待できる。打撃はからきしだが強肩で守備範囲は広く確実にボールを処理する。こうして挙げると日本のプロ野球でも思い浮かぶ選手は多い。
実際にプロ野球のスカウトは、すべての項目が平均点よりも一つだけダントツの点数の選手を評価するという。もちろん大谷選手のように、すべての項目が満点に近いことが理想だが、現実にはほぼいない。それならば他は平均かそれ以下でも飛びぬけたところに賭けるのだそうだ。
では、人材育成や収益強化への取り組みではどうだろうか。部下への指導で悪いところばかりに目が行って、良いところを伸ばすことをつい忘れてしまう。中間管理職としてマイナス評価は避けたいので、部門の課題として平均以下の項目をどう引き上げるかが最優先になる。欠点やマイナスを直すことばかり注力していると、良い点を伸ばすことがおろそかになりかねない。部署全体の収益を上げるには不得意な分野を必死になってリカバーするよりも、平均を上回っている得意ジャンルを伸ばした方が早いことはしばしばある。苦手科目を克服するのは容易ではないが、もともと得意な科目は勉強や努力が苦にならないから、伸びしろも大きいということただ。
選択を間違えると成長の余地が大きいところを伸ばせず成果があがりにくい。平均点を考えマスナス点の改善ばかり追い求めていていると、苦労のわりに実りが少ない。全部が満点は無理なのだから「選択と集中」は常に意識していたい。それが管理職にとって重要な仕事でもある。
※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします