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ADMRコラム㉖ お客さまをもっと「えこひいき」しよう

航空会社のステータスは獲得することも維持することも難しいことで知られる。数多く飛行機に乗り、ヘビーユーザーにならなければいけないし、維持するために「修行」と称してポンイト確保のためだけにフライトを繰り返す人もいる。 関心がない人からすれば、そこまで執着する必要があるかと思えるかもしれないが、それだけ魅力があるのだろう。航空会社のラウンジが無料で使えて搭乗前にゆったりできる。搭乗の際にも優先搭乗でほぼ並ばずに早く席につける。そもそも座席予約でも一般の乗客に比べ案内される座席が多い。 特別扱いのオンパレードと言える。確かに、搭乗時に行列ができかかっているときに優先搭乗でさっと入れるというのは優越感を覚えるだろう。   さて自動車流通業界はどうだろうか。「どんなお客さまにも丁寧に対応する」と言えば聞こえはいいが、短期間に一家で3台の新車を購入したお客さまにどんな特別サービスを提供しているだろうか。3~5年のサイクルで必ず代替しているお客さまに、何か特典を付与することを考えたことはあるか。   クルマはモデル末期になって売れ行きが落ちたら値引きというケースが少なくない。人気のある新型車は商品力で売れるから値引きの必要がない。それは事実だろうが、その新型車を、これまでたくさん買ってくれた”お得意さま”にだけ、常識の範囲の値引きをしたら、どれだけ喜ばれるだろうか。   上得意も、手間ばかりかかって儲けにならないお客さまも対応にあまり差が出ない―自動車流通業界を長く取材してきて、ずっと不思議に思っていた。えこひいきと思われたくないのか、「平等」を重視しているのか、それとも真面目なのか、どんな面倒なお客さまにも手を抜かない。CS調査で悪い点数を取りたくないから、平均的なもてなしのレベルを上げるために汲々としているようにも見える。 店舗にとって収益をもたらしてくれる上得意は一握り。その客を失うリスクをもう少し考えてもいい。大切なお客さまを特別扱いすることを躊躇してはいけない。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします