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ADMRコラム⑮ 「売れない人」の共通点
成績が振るわない営業スタッフに共通していること。①すぐに値引きをしたがる②お客の”空気”が読めない③レスポンスが遅い―この3点にほぼ集約されるのではないか。さらに、営業の管理職を務め、仕事を通じて多くの会社の営業スタッフと接してきた経験から言うと、注意や指導を何度しても改善しないという残念な共通点もある。
自社の商品の良さ、セールスポイントを理解していない。商品力に自信が持てないから値引きで勝負しようとする。見方を変えると、商品の価値を商談相手にうまく訴求できないということだ。それを「こんな商品は売れない」「ライバル会社より性能が劣っている」などと、商品に責任転嫁して値引きを正当化しようとする。
どんな業界でも競争は激しいのだから、ダントツの商品というのはなかなか出てこない。その中で自社のアピールポイントを的確に把握して、商談相手にメリットがいかに大きいかを提案していくことが求められているのだが、他社に比べ劣っていることが気になってうまく説明できない。
値引きは常識的な額が必要なときもあり、会社から一定の値引き幅を許されていてもいる。とはいえ値引きすればするほど利益は減る。5万円の値引きでクロージングできそうにもかかわらず10万円引いてしまう。その差額をカバーするためにどれだけの商談と労力が必要になるかを理解しようとしない。商品の価値を認めてもらい値引き競争に巻き込まれないようにするというより、「どんな金額でも受注することが優先」と考えてしまう。
それもこれも「お客様の”空気”が読めない」ことが最大の要因ではないだろうか。商談相手が「その説明はあまり必要ない」という雰囲気にもかかわらず詳しく語ってしまい、逆に興味を示していることを簡単に終わらせてしまう。相手の反応次第で臨機応変に対応することが苦手なのだろうが、提案も値引きもワンパターンで一方通行になりがちなためコミュニケーションが深まらない。
相手の質問をじっくり聞いてすぐに対応することくらいはできそうなものだが、そういう人に限ってレスポンスが遅い。お客様のニーズの重要度をうまくランクづけできないからなのか、商談相手の信用を失いかねない応対が少なくない。
客観的に見れば「売れない人」の多くは、売れないだけの理由がある。にもかかわらず、自分の仕事の進め方を間違ってないと思い込んでいる人か少なくないからやっかいだ。お客様の「予算がありません」も「検討します」も断るための方便で、別のアプローチを考えないとらちが明かないことが多いのは営業経験者ならば誰もが知っているはずだ。しかし、それさえも真に受けてぎりぎりまで回答を待ったり、次回に期待をしてしまう。
だから売り上げ見込みや予算の「精度」が低くなる。これも共通点の一つに付け加えていい。
※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします