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ADMRコラム④ マニュアルは誰のため?

マニュアルは、経験の少ない人が仕事を覚えるには有効であることは間違いない。若いアルバイトが多いファストフード店や外食チェーンが、一定のサービスレベルを確保し支持されているのもマニュアルの存在が大きいはずだ。ただ、メニューの説明や注文のルールを機械的かつ一方的に話をされると、うんざりすることも少なくない。 すでに知っていることもあれば、途中で質問したくなることもある。こちらの気持ちを、恐らくわかっていながら説明を続けるのはマニュアル通りにやらなければという意識が強いからなのだろう。   「臨機応変」が接客や営業の理想とすれば、マニュアルはその対極にある。多くのスタッフがいても均質なサービスを提供し、少なくとも最低限の評価はしてもらえるのがマニュアルであり、そこにこだわっている限り、批判は少ないかもしれないがお客が感動するような接客体験は生まれにくい。   ある大手自動車ディーラーの店舗で、大げさともいえる出迎えや見送りに違和感を覚えたことがある。新車を買ったときくらいはそれも嬉しいが、ちょっとクルマを見たいと思ったときに「恥ずかしい」「気が引ける」と思うお客が少なくないのではないか。その疑問を店舗の関係者に聞くと「そう思っているスタッフは多いのですが、本社が決めたマニュアルで、勝手に変更できない」と苦しそうに弁解した。   出迎えや見送りを誰もしないというのは論外であり、そうならないようにマニュアルをつくる。それが悪いわけではないだろうが、その内容にスタッフが疑問を感じ、負担に思っているのであれば「やらされている」という雰囲気がどこかに出てきて、お客にも伝わりかねない。お客も必要性をあまり感じない接客やサービスが増えると、大きな不満はなくとも足が遠のきがちになるのではないか。   接客マニュアルは基本を学ぶものであり、それ以上の評価を得ようとするならばスタッフ一人ひとりの知恵と工夫を積み上げるしかない。それがやりやすい環境をどこまでつくれるかが重要であり、マニュアルが誰のため、何のためにあるかを改めて考えてみたい。 ちなみに紹介した大手自動車販売店の業績は低迷が続いている。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします