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ADMRコラム88 仕事は「ショート動画」にあらず
テレビを観ていると、『衝撃動画100連発』のような番組が放映されることがある。世界中から素材を集めて流すだけなので、比較的安価かつ簡単につくることができるようだ。テレビマンの手抜きだという声もあるだろうが、視聴率が稼げるから、あちこちのテレビ局が似たような番組を制作している。何分かに一度起こる「ちょっとした盛り上がり」が人気の要因のようだ。
YouTubeショートやTikTokのようなショート動画もまた『衝撃動画100連発』と同じように、数十秒に一回必ずクライマックスのようなものがある。それをスワイプすることで、次の動画をどんどん観ることができるのが支持されている。実際に、まったく最近の楽曲でもないのに、ショート動画で使われたため、若者の間で爆発的なヒットを見せたという現象もあった。
ただ実際の生活の中では、次から次へと驚きや感動など、エボックメーキングなことが起きることがあまりない。それが仕事ならなおさらだ。むしろ焦って成果を求めると、うまくいかないことが多い。地味な作業が続くこともある。業界や職種にもよるのだろうが、成果がでるのがだいぶ先ということも多い。
筆者の教員時代は確かに我慢の連続だった。指導をして本当にこれで良かったのだろうかと常に自問自答していた。成果が見えるのは授業後ではないだろうし、テスト後でもないだろう。それならば進級の際だろうか、卒業の際だろうか。もしかしたら生徒によっては人生の終わりにやっと成果が表れることだってあるだろう。きっとそのときに私は生きてはいないだろうが。
「成果なんてすぐに求めるものではない」―おそらく長く働く社会人の多くは実感している。ただ、それが新社会人にはわからないことが多い。学生時代は勉強すればテストで結果が出た。だからショート動画のように、頑張ればすぐに成果が出てくるのだと信じている。ただ、それは学生時代の「常識」に過ぎない。
新入社員の中には、地味な作業を嫌がる人がいる。やりたい仕事ではなかったなどといって、せっかく始めた仕事を辞めてしまう人もいる。そういう人は日ごろの仕事の中には必ず刺激があると思っているのかもしれない。
現実は本当に役立ったのか、全体像がわからない仕事ばかりだ。それでもまわりまわって誰かの役に立っている。だから社会は動く。入社して間もない研修では一言「仕事とはショート動画ではない」と、伝えることが新年度配属された社員への最も大事な教育ではないだろうか。
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