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ADMRコラム84 販売店の務め
知人の愛車が先日、エンジンルームからの発火によりほぼ全焼した。走行中に車内に焦げ臭い匂いがしてきてすぐにボンネットから煙が見え、あわてて路肩にクルマを停めて外に出た。その後、1分も経たないうちに火が見えて運転席も炎に包まれたそうだ。写真を見せてもらったが、クルマの前半分はほぼ”丸焼け”の状態で、あと少し車内にとどまっていたら無事では済まなかったかもしれない。
原因は1カ月前に受けた車検の際の整備のミスと判明、車検を入庫した販売店側と補償を含め話し合いを進めているという。走行中にクルマが燃えることなど滅多にないだろうが、交通量が少なく「すぐに停車できて、他のクルマに迷惑をかけることがなかった」うえ、車外にすぐ出るなど冷静に判断できたことで火傷なども防ぐことができたのは不幸中の幸いだったと言えるだろう。
災害は、予期せぬときに起きる。予測することが難しいことはもちろん、想定できない事態も起きるから時に大きな被害をもたらす。東日本大震災の津波の被害もそうだった。悔やんでも悔やみきれないことがたくさんある。
ただ、過去の教訓から学ぶことはできる。最悪の事態に備えるために何が必要か、経験を踏まえて伝えていくことは可能なはずだ。クルマを運転していて、車内から出火する。大雪による渋滞で一晩を車内で過ごさなければならない。地震や雪崩、水害などもあり、その時、ドライバーはどう行動すべきか。
自動車販売や整備の仕事に携わっているならば、少なくともそうした知識は持っていたい。最新の安全装置を備えたクルマを提案することは業務として当たり前のことだが、災害時の対応や備えなどを説明してお客様に「安心・安全」を提供するのも責務の一つではないだろうか。
30年近く前のこと。ある外資系企業の記者会見がホテルで行われ、冒頭、司会の人がホテルの避難経路を説明し始めて驚いたことがある。他の企業の記者会見ではそんなことはなかったし、大きなホテルで安全性に対する信頼感もある。必要性はそれほど感じなかったが、企業ポリシーとしてずっと続けている姿勢に感心した記憶がある。
自動車販売の現場は、先進技術の進化や高度な機能が増え説明すべきことがたくさんある。コンプライアンスにも配慮しなければならず、負担は少なくないだろう。とはいえ、お客様が万が一災害に遭った時の対処方法はもちろん、備えるべき防災グッズなどを説明する時間や機会は大切にしてほしい。日頃、意識することが少ないが、それがお客様の命を守る貴重なアドバイスになる可能性もある。今日は3月11日。東日本大震災の発生から15年が経つ。
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