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ADMRコラム65 もし後任がAIだったら

 人事異動が決まると、業務の概要を引継書としてまとめ、必要に応じて微妙な人間関係や進行中のプロジェクトの問題点などを後任にレクチャーする。文書だけでは伝えきれないこともある。それが「後任はAIだから」と言われたらどうなるだろうか。引継書として入力すればそれで終わり。処理能力も学習能力も高いから、すぐに新しい業務をマスターしてしまうだろう。「ミスがなくて前任者より優秀だね」といった評価も出てきて、前任者は居心地の悪い思いをする―。


 そんな時代がいつ来てもおかしくない。AIは日々進化しており、人の感情も「データ」を基に分析、理解できようになっているという。AIは人と違って職場環境や労働時間、福利厚生など会社として配慮する必要がない。どんな状況でも電源と通信環境さえあれば文句を言わず働いてくる。業務の処理能力を含め上司にとっては「頼れる部下」という見方もできる。


 「お客様との関係づくりが重要な営業の仕事だからAIには難しい」「整備の現場の作業はメカニックしかできない」―自動車販売店や整備工場では、そう考えている人がほとんどだろう。現状ではその通りとも思えるが、別の見方がないわけではない。お客様へのメール、電話での連絡はAIでできる。お出迎えも、飲食店などはロボットや受付の機械で対応しスタッフが出てこないところもある。肝心の商談も、ネットで完結できるシステムはすでに用意されている。整備では、部品の交換や修理は人の手が必要だろうが、難しい故障診断など経験や知見がものをいう作業はAIの方が得意かもしれない。


 誰もが自分のやってきた仕事にプライドを持ちたいと考える。「自分がやっていたから、ここまでできた」と思いたい。文書では伝えきれないノウハウを後任に引き継いでいくのも重要な任務であり。それが仕事に対する責任感にもつながっている。それが「今後はAIに任せるから」と言われたらどう思うか…。多くの企業で人手不足が深刻化しており、こうした話が現実になりつつある。


 だからこそ「人でなければできない仕事」にこだわりたい。「〇〇さんから買いたい」「クルマのことは整備を含め〇〇さんに任せている」―そういうお客様がたくさんいれば、AIの出番は少なくなる。もっと言えば「あの人がやっているからお客様も、社内も支持している」と言われる存在であれば、「後任がAI」ということはないだろう。AIに仕事を奪われる心配をする前に、お客様、取引先、社内それぞれに評価される仕事をする。そのためにAIを活用することも必要だろう。AIと”共生“しながら、それぞれが改めて自分の仕事を改めて見つめなおす時代になろうとしている。


※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします。またADMRではYouTubeで動画配信を行っています。ADMR公式チャンネルはこちらからご覧いただけます。

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