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ADMRコラム㉘ お客さま第一主義と現場の感覚

馴染みのお店(酒場)に友人を連れていく。想定しているイメージはこうだ。店に入ると「〇〇さんいらっしゃい。いつもありがとうございます。(キープしてある)ホドル出しましょうか」。「よろしく。それと、いつものやつ(おつまみ)お願い」。そこで友人に「この店、雰囲気か良いし食べ物も美味しいからよく来ているんだ」―自分が常連であることを友人にちょっと自慢したい気もある。 ところが、いざお店に入ってみたら、店主は「いらっしゃい」とは挨拶したものの、こちらの名前は読んでくれない。何度が通っており、ボトルに名前を書いているから覚えてくれたと思っていたが、そうではないようようだ。「ボトル入っているんだけど」と言ったら「お名前は?」と聞かれる始末。「いつもの美味しいつまみ」など、注文する気も失せる。「馴染みの良い店があるから」と言って連れてきた手前、友人に対しても恥ずかしい。   別のケースもある。店は混んでいる。席に座るとアルバイトらしきスタッフが対応してくる。店主は遠くで他の客と話している。店に入ったとき、こちらに気づいたと思うのだが、挨拶にもこない。友人に「こちらがマスター」と仲の良いところを見せたかったが、忙しいのか店主は知らんぷり。いずれにせよ結論は一つ。自分は馴染み客だと思っていたのに、店はそう考えていない。だから「もうこの店らは来ない」―。 「お客様第一主義」は会社が社是や社訓などで掲げる。そして「お客さまの立場になって接客、商談をしよう」と社員に呼び掛ける。にもかかわらず”馴染みの店”のような対応がしばしば見られる。自動車販売店や整備工場の現場もそうだ。何度か来ているお客さまか来店する。ナンバー認証もあるから名前はすぐに分かる。にもかかわらず接客中に名前を呼ばず、つい「お客さまは」と言ってしまう。   自分の担当顧客が来ても商談など別の仕事をしていると挨拶に行かない。相手は気づいていることも承知しているのに「別のスタツフが対応してくれているから問題にい」と思ってしまうのか”無視”したまま。自分が客の立場だったら、それがどれだけ不愉快な対応だということを理解していないか、仕事となるとそこまで気遣いする必要性を感じていないのか。   ある自動車販売店の社長は「名前が分かっているお客さまに”お客さまは禁句」と言い、整備工場の社長は「自分のお客さまの用件は、今の仕事を中断してでも優先する」ことを徹底している。経営者、幹部のお客様第一主義への思いと、現場の対応が乖離するほどお客さまは離れていく。お客さまの名前を呼んで、挨拶を必ずる―お客様第一主義の基本とも言えることだが、現場に重要性を認識してもらうにはもっと知恵を絞る必要がある。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします