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ADMRコラム⑧ 他部署はお客様

管理職をしていた頃の経験で、数万円の経費が発生した際の処理で部下から異論が出たことがある。部署の経費予算からするとそれほど大きな金額ではないのでそのまま申請して終わらせようとしたら、他部署も関係している案件で「なぜ、うちの部署がすべて経費をもたなければいけないのですか」と強く言われた。 会社としてはどこの部署が負担しても同じであり、自分の部署で処理すれば他部署も手間が省けて感謝されるのだからと説明しても、納得してくれない。「うちの部署だけ損をする」と譲らない。自分の権限で押し切ったが、そういう人は理屈ではなく感情的に許容できないのだろう。   自分の部署を我が家のように感じ、愛着を持ってもらうのは悪いことではない。しかし、行き過ぎると「我が家にとってメリットがあるか」がすべての尺度になってしまい、さらにエスレートすると「隣の家が幸せそうに暮らしているのが我慢ならない」と、隣家のあらを探し攻撃的になる。その雰囲気は相手にも伝わるから、対立が深まり関係が悪化していく。   営業の拠点同士であれば、業務内容が同じだから共感できることが多い。そもそも連携する機会が少ないし「あの店舗には負けたくない。店舗の中でトップになりたい」といったライバル心がスタツフのモチベーションを高め、好結果につながることもある。 一方、営業とサービス、現業部門と管理部門はどうか。会議やミーティングで話はしていても経験していないとそれぞれの仕事の苦労はなかなかわからない。だから「自分たちだけ負担が大きい」「こっちの苦労も知らずに頼み事ばかりしてくる」と思う人が出てくる。隣の芝生は青く見えるではないが、そのうち「(実際は違うのに)あっちの部署はらくそうでいい」と妬みのような感情も生まれ、失敗があると密かに笑ったりする。  いくら経営陣が部署間の連携強化、全社一丸をお題目のように訴えても、これでは溝が埋まらない。自分の部署ではなく会社全体が”我が家”という視点を持ってもらうにはどうしたらいいか。少なくとも、その部署のトップが縄張り意識を捨てることはもちろん、他部署に対し感謝やリスペクトの気持ちを率先して言葉にすることから始まるのではないか。 ある会社で言われた言葉が今でも印象に残っている。「他部署はお客様と思え」―。大切に思ってお付き合いすれば、それが相手にも通じるし、困ったときは助けてくれるかもしれない。何より、相手はお客様だから対立することはなくなるはずだ。   ※このコラムは毎週水曜日に掲載いたします